一般の方になじみのない行政などへの許認可を代理・代行するのが行政書士です。
そうすると一般の方になじみのない用語などが登場します。

今回はそんな用語を解説します。
行政書士との会話の中で「そんなの常識だぜ」と言い放って行政書士を驚かせるくらいしか意味はないのかも知れませんが。。。

1.身分証明書

一般の方が「身分証明書」と言われて真っ先に思い浮かべるのは「運転免許証」でしょう。
はい。それは正解なのですが行政書士の言っているのは「許認可に使用する身分証明書」のことです。

残念ながら運転免許証では「許認可に使用する身分証明書」にはなりません。

許認可申請される方の本籍のある市区町村で発行される書類で以下の項目(身分)を証明するものです。
・禁治産または準禁治産の先刻の通知を受けていないこと
・後見の登記の通知を受けていないこと
・破産宣告または破産手続き開始の通知を受けていないこと

上の項目が記載された書類です。
当然、そうした事実があればその項目は記載されません。

残念ながら戸籍の無い在留外国人の方には発行されません。

許認可申請される方からの委任状があれば行政書士が代理で本籍地の自治体から取得することができます。

2.登記されていないことの証明書

行政書士が「ないこと証明を貰ってきてください」と発言したら睨みつけてあげて下さい。
それは業界用語です。「ないこと証明」なんて書類名が通用するのは行政書士間だけと言っても過言ではありません。
このブログを読まれている方は通用してしまうのかも知れませんが。。。

「登記されていないことの証明書」とは成年後見制度の利用者を登記(登録)している後見登記等ファイルに登記(登録)されていないことを証明するものです。
成年被後見人・被保佐人等に該当していないことが証明されます。もちろんそうした事実があれば証明はされません。

身分証明書の記載と重複してそうに見えますが市区町村が証明するのは「後見の登記の通知」がないことです。
通知や登録等ファイルの管理をするのは法務局・地方法務局の本局の様です。

許認可申請される方からの委任状があれば行政書士が代行して法務局・地方法務局の本局から取得することができます。

こちらは在留外国人の方にも発行されます。

3,印紙

行政書士の領収書に印紙が貼ってないのをご覧になって「あれ?」と思われる方もいらっしゃると思います。
「行政書士個人が行政書士法に則った業務を行った場合」には印紙は非課税になります。
「一定額以上の領収書で印紙非課税とか聞いたことないぞ!」と思われる方もいらっしゃると思いますが弁護士さんや司法書士さんなどのいわゆる「士業」ではおしなべて同様なのです。
ただし、行政書士法人などでは印紙は貼られます。

4.源泉徴収

士業に詳しい方なら司法書士さんとかの見積書に「源泉徴収税額」の記載があるのをご覧になったことがあるかも知れません。
「行政書士個人が行政書士法に則った業務を行った場合」には源泉徴収はしなくても良いことになっています。

5.報酬など

行政書士の業務には申請書類の代理作成、行政への許認可申請代行などがあります。

ざっくりと申しますと以下の区分になります。
・申請書類の代理作成:代りにやったので報酬を頂きます。
・行政への許認可申請代行:申請書類に貼付する証書類の実費を頂きます。

つまり仕事の報酬と行政庁などへの実費が混在して見積もられている可能性が高いです。
総額だけみて「高いなぁ」と思わないで頂ければ幸いです。

下のリンクが私のホームページです。
プロフィールなどの記載もありますのでお時間がありましたら覗いてみて下さい。

「行政書士入江登喜夫事務所のホームページ」